あがり症を薬物療法で克服する


あがり症を克服する方法として、薬物を使用した方法があります。
薬物、つまり薬を服用してあがり症を克服しようとするものです。
向精神薬とは精神安定剤や抗うつ剤、鎮痛剤や睡眠剤のこといい、中枢神経系に作用して精神に影響を及ぼす薬のことを指します。
これらの効用は、現在陥っている状況を変えて、克服に向けて治癒していく「きっかけ」を与える、というものです。
つまり、薬物を服用するだけで「あがり症」を克服することはできないのです。
そのため、薬の効果を高めたり、薬の服用を止めたりしたときの再発を防ぐために、心理療法との併用が望ましいといわれています。
向精神薬の使用上の注意点は沢山あります。
まず、医師によって定められた服用量を厳守することです。
そして、あらかじめ服用期間を決めておき、その薬の効果が現れているかどうか定期的に医師に診断してもらうことも必要です。
副作用がひどい薬は避けたほうがいいようですが、副作用があったとしても薬の効果を上回らないようにしましょう。
効果が期待できないのに長期間にわたって薬物を服用し続けることは、むしろ害となるようです。
薬物による治療は、心理療養を併用して始めて効果が現れるといいます。
そのため、薬物を服用する時は心理的なサポートを併せて行いたいものです。
定期的に医師に診断してもらい、本格的な心理療法を採用すれば、薬物による効果は大きく現れることでしょう。

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β遮断薬であがり症を克服する


β遮断薬はもともと高血圧や狭心症、不整脈や心筋梗塞を予防する薬として広く用いられてきました。
しかし、1960代に心理面に対する効果について研究され、あがり症など社会不安を克服することが証明されました。
現在では、動悸や震え、口の渇きや発汗などのあがり症を克服する薬として使用されるようになってきました。
β遮断薬は身体にどのように作用するのでしょうか。
β受容体ではノルアドレナリンやアドレナリンなどの神経伝達物質が作用して、発汗や口の渇き、動悸などを引き起こしているのです。
そこでβ遮断薬を服用すると、β受容体でのこれらの物質の働きを抑えることができるのです。
β遮断薬は、即効性の高さで知られています。
演奏の数時間前にβ遮断薬を服用したことにより「あがり症」の症状が克服されました。
この調査では、β遮断薬のもう1つの効果も判明しました。
「手の震え」が抑えられたのです。
手に震えが抑えられたことにより、演奏の質まで向上したようです。
ここで注意しなければならないことは、あがり症の症状が和らげられただけで、演奏者の能力が高まったというものではない、ということです。
薬を服用する前に、このことはよく理解しておきたいものです。

β遮断薬であがり症を克服する時の注意点


β遮断薬であがり症を克服する時にも、さまざまな注意点があります。
また、あがり症には強い効果が期待できますが、「内気」や「全般性社会恐怖」には効果がまったく無いということも理解しておきましょう。
この薬には即効性があるため、不安をもたらす状況になる約1時間前に服用すればいいようです。
不安を感じることが事前に分かっているような講演会や演奏会などが始まる前に、あらかじめ服用しておくのです。
そして、定期的にこの薬を服用することで、しだいに薬の必要性を感じなくなり、薬に頼らなくても済むようになることも多いようです。
薬を服用しながらであっても、不安を感じる状況にしだいに慣れていき、やがて薬なしでも対応できるようになるようです。
つまり、あがり症を克服するためにβ遮断薬に過度に依存してしまう危険性は高くない、ということです。
一方、アメリカでの使用状況は一般化しています。
プロミュージシャンのうち、約30パーセントがコンサート前に服用しているというデータもあります。
また、その人達の70パーセント以上が医師の指示によってではなく、自己判断によって服用しています。